科学的根拠に基づくケアを実践するために
2025.07.02
~体圧測定器を活用したポジショニング研修を開催しました~
(機能訓練課/作業療法士 佐々木)
こんにちは。
機能訓練課の作業療法士・佐々木です。
当施設では、ご利用者さまの安楽な日常生活を支えるために、日々多職種で連携しながら身体状況に応じたケアの工夫を行っています。
このたび、令和7年6月12日と26日の2日間にわたり、「ベッド上でのポジショニング」に関する研修会を開催しました。
今回は特に、「体圧測定器」を用いた実演・体験形式で行い、職員自身が体感しながら学べる内容として開催しました。
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◆ なぜポジショニングが重要なのか?
ポジショニングとは、ご利用者さまが安楽に、安全に、そして可能な限り自立した生活を送るための「姿勢の調整」のことです。
特に寝たきりの方や、筋緊張が強い方、拘縮のある方に対しては、体圧の分散や褥瘡予防、呼吸や嚥下の安定化にもつながる、極めて重要なケアです。
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◆ 体圧測定器で「見える化」することで伝わること
今回は、当施設に導入している**体圧測定器(例:〇〇社製)**を活用し、ポジショニングによって体圧がどのように変化するのかを"見える化"しました。
実際に職員がベッドに横になり、クッションの入れ方や背上げの角度、足の位置などを変えることで、画面上に映し出される体圧分布の変化を視覚的に確認できました。
これにより、以下のような実感の声が多く挙がりました。
「ちょっとした姿勢の違いで、体にかかる負担が大きく変わるんですね」
「本人の"訴えにくい不快感"が、体圧の偏りから見えてきたような気がします」
「今まで何気なく入れていたクッションの意味が分かりました」
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◆ 多職種での学びの深まり
研修には、介護職・看護師・相談員・管理栄養士など多くの職員が参加しました。
それぞれの立場で「どのタイミングで」「どう関われば」ポジショニングを適切に行えるか、意見交換も活発に行われました。
また、体験を通じて、以下のような学びがありました。
• 褥瘡予防だけでなく、睡眠の質や呼吸状態にも影響すること
• 移乗後・体位変換後の「ちょっとした調整」が安楽さを大きく左右すること
• 同じ体位でも「一人ひとりに合った」微調整が必要であること
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◆ 今後に向けて
今回の研修を通して、"科学的な裏付けに基づいたケア"を、実践にどう落とし込むかという視点が深まったように感じます。
今後も、ご利用者さまが少しでも安楽に、安心して生活できるよう、
機能訓練課として多職種と連携しながら、知識と技術を共有してまいります。
引き続き、**「信頼と共感により安心の輪を広げます」**という法人理念のもと、根拠ある優しいケアを大切にしていきたいと思います。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
今後も「学び合う文化」の醸成を目指し、現場に根ざした研修を続けてまいります。